きーたんのブログ

水耕栽培の難しさを痛感…

   

農業は収益が安定しないことから、企業参入が難しいとされていますが、昨今は施設栽培の技術が向上しているためにハウス栽培や植物工場のようなものが普及し始めて企業参入もかなり増えてきています。

施設栽培にすることによって最大のメリットは「天候リスクを抑えることができる」ということ。
そのため設備投資資金さえあれば、ぼくは施設栽培の方が事業化しやすいと感じていました。

が、今日はその考えも甘いかもしれない…、と感じる出来事がありました。

 

今、ハウスの水耕栽培で葉物を作っている生産者さんと取引をさせていただいているのですが、今朝電話がかかってきて…

「作物の状況が良くなくて原因もはっきりとは特定できないので相談にのっていただけませんか?」

と、かなり深刻な状態だったので急いで技術指導の先生と一緒に現地に飛んでいったわけです。
で、見させてもらったのがこんな状況

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小松菜なんですが、ちょくちょく葉の先が黄色い部分が見えるのが分かりますかね?
もうちょっとよってみると…

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素人目では「病気かな?」と思ってしまいますが、これは生理現象だそうです。
要するに病気や害虫の問題ではなく、植物自体の栄養素のバランスが良くないためにこのような症状になってしまったわけです。

植物は水や光、そして肥料のバランスで生育が決まります。
ただ一言で「肥料」と言っても、主たる要素である窒素(N)・リン(P)・カリウム(K)の3要素に加えて、カルシウム (Ca)、酸素 (O)、水素 (H)、炭素 (C)、マグネシウム (Mg)、硫黄 (S)、鉄 (Fe)、マンガン (Mn)、ホウ素 (B)、亜鉛 (Zn)、モリブデン (Mo)、銅 (Cu)、塩素 (Cl)といった13種類の要素を合わせた全16種類が植物の生育にとって必要とされています。

一般的な土壌栽培では、3要素に加えてカルシウムとマグネシウムを合わせて5要素について、いわゆる「肥料」として良く使われますが、それ以外のものについては微量要素と呼ばれるくらいで、土壌にもともと含まれる成分でも植物の成長には十分事足ります。

しかし、水耕栽培ではそうはいきません。
というのも水には土壌ほどそういった微量成分が含まれていないため、溶液にそういったものを加えてあげなければいけないのですが、そのバランスが難しい…。
微量要素は少量でも良いのでそこまで気にする必要はないのですが、逆に過剰だとそれはそれで植物に悪影響を及ぼします。植物が吸い上げた微量要素を適度に補給してあげなければいけないのですが、どの程度不足しているのかというのは簡単には分析もできません。
なので、何かしら不具合が現れた時に初めて何が不足しているのかを分析していくことになります。
葉の様子を見ただけでは、どの要素が不足しているのか過剰なのかというのを断定することは難しいようです。栽培管理者の日々の行動や溶液の肥料設計など、様々な背景を理解していたとしても100%の断定は難しい。
確実に判断するためには溶液や植物自体の要素を分析していかなければいけないのですが、それもなかなか一般の農家さんにとっては難しいそうです。

理科の実験レベルであれば、何か不具合が出たことをゆっくり分析して答えを推測していくことでも問題無いかもしれません。
しかし農業は事業であって時間は待ってくれません。何かしらの不具合が出てしまうと、その間は商品が出荷できないので売上もゼロです。

このように水耕栽培ならではの栽培の難しさもあり「水耕栽培なら天候リスクも少なく機械的にどんどん野菜が作れる!」というわけではなく、やはり専門的な知識を持った人が管理をしなければならないということを考えると、非常にハードルの高いものなんだと改めて実感しました…。

 

堅苦しい話しになってしまいましたが、今日はこの辺で!

 

 

 

 - 農業のこと

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