きーたんのブログ

野菜の規格外品を流通させても誰も喜ばない

   

ちょっと前ですが、Facebookのタイムラインを見ていたら、こんな記事が目に止まりました。

『形が悪い野菜』廃棄する野菜2000トンを完売したアイデアに脱帽
http://grapee.jp/7760

簡単に説明すると、世の中にものすごくたくさん野菜の規格外品があるのに流通していない。
しかし、この流通しない規格外品は味が悪いわけではないので、ジュースを試飲してもらって通常の3割引きで売ったら、規格外品も綺麗さっぱり売り捌けて、お客さんも喜んでハッピー!みたいな話しです。

僕も最初見た時は「そうそう、消費者の人にちゃんと説明できれば規格外品だってちゃんと流通するんだよね。オレも頑張んなきゃな~」って思ったわけです。

 

が!

しかし!!

もうちょっと冷静に考えると、これって長期的にみると誰も喜ばない仕組みを作りかねないんです。

生産者及び流通、販売者にとって、規格外品が売れないと思ってるわけでもないんです。

「見た目が悪くても味は変わらずちょっとお得に買えるならきっと消費者は喜ぶはず」

たぶん大体の人は知ってます。
僕も野菜の流通に2年間ぽっちしか携わってませんが、なんとなく分かります。

「規格外品を流通させても利益が出ない」ってこと

ぱっとみだと「今まで値段のつかなかった規格外品が価値になるんだから売上あがるじゃん」と思ってしまうんですが、そこが落とし穴。

簡単な図を書いてみたんですが…

yasainokakaku (450x329)

ほら分かりやすい!w

え?分からない??
はい、すみません…。

まぁ要するに一つの商品を販売するまでに必要な経費って、見た目の良い野菜も悪い野菜もだいたい同じです。
そうすると消費者の手に届くまでの間にほとんど利益の残らない状態で流通することになります。

しかももし3割引きの規格外品(図で言うと70円のほう)が常にお店に並んだとすると、はっきり言って100円の野菜はほとんど売れなくなるでしょう。
そうでなくても野菜農家さんは利益を出すのに必死なのに、今まで以上に利益の出ない野菜ばかり流通してしまったら、加速度的に農家さんはいなくなってしまいます。

もし国産野菜が手軽に買えなくなったらみなさんどうしますか?

 

ぼくは規格外品を流通させたくないわけじゃありません。
農家さんがちゃんと継続していけるのであれば何も問題ありません。

じゃあどうしたらいいか、簡単な答えはもっと野菜が高く流通すればいいと思います。
農業に費やされた補助金なんか、相場を崩してしまってるんだと思います。

ちょっと話しがそれてしまいましたが、安直に「規格外品をもっと流通させればいいのに」という考えは違うかな、と思って今回は書かせていただきました。

野菜にかぎらず、ちゃんと適正な価格で買うようにしましょうよ。ほんとに。

DSC00228 (450x300)

 

 

 

 - 農業のこと ,

Comment

  1. 通りすがりの知識の少ないものです より:

    突然のコメント失礼致します。
    食べ物を無駄にしない、そんな方法って日本でどれだけ動かれているのかな、と検索していたらきーたんさんのブログにたどり着きました。

    私もgrapeeの同じ記事を読みました。
    そして、農家さんの純粋な利益になるわけではないことをきーたんさんのブログで知れてよかったです。

    何かわたしたちにできることはないのでしょうか。
    これからいろいろ知って行こうと思っています。
    まとまりありませんが、記事を読めてよかったです。

    • きーたん きーたん より:

      コメントありがとうございます。

      いや、本当に難しい問題だと思います…。少なくとも野菜流通に携わる人すべての人がHappyになるというのは、今のところ僕の頭には思い浮かびません…。
      今自分のやっていることと少し違うかもしれませんが、生産者と消費者の距離感をもっと近づけることが「流通」のやるべきことなのかな、と思っています。
      やはり農家さんは自分の作ったものを「良い野菜ですね!」と言ってくれる人に買って欲しいと思っているでしょうし、消費者もそういうものを求めているのかな、と。

      でもそこには物流の壁があることで、消費者にとって望ましい価格で流通が難しいという問題もあります。

      そこで「地産地消」という考え方が生まれたのかな、とも思います。

      すみません、こちらこそ頭に浮かんだことを連々と書いてしまいました…。

      そうですね、僕自身も一消費者としてやっていきたいことは、ちゃんと野菜を買ってちゃんと料理することじゃないでしょうか?
      今は料理の手間のかかる野菜が本当に売れなくなっています。珍しい野菜もなかなか売れません。

      今はいろんなレシピがインターネットで充実しているので、売り場で作り方ちょっと調べてみて楽しそうだったらその野菜を買ってみる。
      そういうことが、生産者にとっても栽培の選択肢が増えていい意味で活性化していくんじゃないでしょうか(^_^)

      • より:

        理論はわかりますがやはり規格外をまぜてうればいいんです。

        • きーたん きーたん より:

          >あ様
          お返事が遅くなってしまい申し訳ございません。
          「規格外」という言葉の定義が非常に難しいところではありますが、仰るとおりでAという顧客に対しては規格外として扱われてしまうものでもBであれば正規品としてきちんと価値をおとさずに販売する、という販売側の工夫が必要かと思いますね。

  2. はる より:

    始めまして。野菜廃棄の課題について知りショックを受け、調べていたらこちらのブログにたどり着きました。
    一つ思ったのが、野菜が流通されるまでに
    農家→JA→卸売市場→スーパーという流通経路の中で抜かれているであろうマージンを削減した状態、すなわち直販型にすれば、安く売ってもコストが減るため粗利率はそれほど下がらないのではないでしょうか?

    外国産の安い農作物が売れているようですし、物流の簡略化で国産野菜をより安く売り広め、農家と消費者の距離をちぢめられないのかなあと考えています。

    ちなみに私は野菜物流の素人で、しかし非常にこの分野に関心を抱き、なんとか廃棄の課題を解決できないかと考えているものです。
    無知な意見で恐縮ですが、お返事いただけると嬉しいです。

    • きーたん きーたん より:

      コメントいただきありがとうございます。
      農家、JA、卸売市場、スーパーとそれぞれがただ伝票マージンだけでビジネスをしているのであれば、数を減らせばコストが下がりますが、実際には各々が流通の一部分をになっています。
      JAと卸売市場の機能を1社が引き受けたとしても抑えられるマージンは高くなる可能性もあります。
      これはJAと卸売市場が本来担っていなければならない仕事のボリュームと物流コストを考えれば、なかなか他の業者が同じようにやってもそのコストを大幅に抑えるというのは難しいと思います。

      ただ、既存の流通ではやってこれなかった範囲をさらに広げて網羅することによって、これまでの仕組みよりも大幅にコストを下げられる部分は見えてくるかもしれません。たとえばマーケティングとか。
      ものを大量に管理して輸送コストを下げるというのは、これは大規模な既存流通よりもコスト改善できる可能性は中小零細企業には難しいと思います。

      あとは、規格外品についてですね…。
      まず始めに注意しなければならないのは、規格外のものであっても流通させようと思ったらそれは「規格を定める」必要があります。
      これまで規格の中に含まれていなかったものの中には
      ・大きさが規格外
      ・見た目の形が規格外
      ・病気にかかっているので規格外
      ・虫食いがあるので規格外
      ・生理障害が発生しているので規格外
      ・収穫時に傷がついてしまったので規格外
      etc…

      消費者がどこまでのものを許してくれるかというのを念入りに検討する必要があります。
      「多少の傷は気にならない」という声があったとしても、その部分は痛みの原因(例えばすぐに腐る)にもなるのでどこまでを許容範囲にするかというのは非常に難しいですし、その基準を作ったり選別の手間を考えたら捨ててしまったほうが良いというのが現状です。

      よく言われるのは「欲しい人が取りにきて来てくれたらいくらでもあげるよ」というのが現状です。

      「農産物」という大きな括りでは問題点がぼやけてしまうので、何か一つの野菜に特化して考えたほうが良いかもしれませんね。
      そうすると解決の糸口が見えてくるかもしれません。
      例えばキャベツとトマトでは考えなければいけないことが全く変わってきますので。

      この場では的確なお返事ができたかどうか不安な部分もありますが、はるさんがもっと具体的にどうしていきたいか考えていく上で力になれそうなことがあればいつでもご連絡ください。

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