きーたんのブログ

「有機栽培=野菜が美味しい」というのは間違い

   

僕が仕事として農業に携わることになって早3年。野菜の流通に携わることでいろいろな栽培の意見を聞いてきたことで分かってきたことを整理する意味で文章にしてみました。

土は食べ物

人間は口からいろいろなものを摂取することで成長に必要な栄養素を体内に補給します。野菜も植物であり人間と同じ生物なので、成長するために栄養が必要です。

じゃあ植物はどこから栄養を摂取するのかというと…

 

そう、根っこです。
根っこが人間の口と同じ役割を持っています。じゃあその根っこの先には何があるのかというと土。
なので土に含まれる栄養素を根っこが吸収することで植物が成長するわけです。

まぁここまでは学校でも習いますね。

 

さてさて、では本題に入っていきましょう。

「有機栽培=野菜が美味しい」というわけではない

よく耳にしますよね、

「有機野菜は美味しい!」
「オーガニックだからうまみが濃い!」

この表現についてはある意味正しくて、ある意味間違っています。
ただ間違いなく言えるのは、有機栽培の野菜が100%美味しいわけではないということ。

先ほど土から栄養を摂取して野菜が育つという話をしました。
ようするに植物が成長する過程でどんな栄養素を含んで成長していくかによって、その植物を構成する栄養素が決まるわけです。

牛や豚も餌によって肉質や味が変わりますよね。オリーブの葉を餌にした香川のオリーブハマチとか。
あとは人間も油物ばっかり食べてたら脂肪がいっぱいつきますよね。

野菜もおんなじです。同じ「生物」ですから。
なので野菜も植物を構成する栄養素で味が変化します。

じゃあなんで「有機野菜が美味しい!」と言われるようになったのか…。さすがに根も葉もないところからはそんな話しにはならないです。

人間が生きていく上で必要な「必須アミノ酸」というのがありますよね。それと同じように野菜にも成長に不可欠な栄養素があります。
それについてはちょっと図の方が分かりやすいのでまとめてみました。

yasaiyousojpg

野菜は50~60種類の元素から構成されており、その中で成長に必要な元素というのは17種類とされています。

「有機肥料」に対して「化学肥料」というものがあって、化学肥料は野菜が成長するのに必要な元素を化学的に合成して作ったものです。(形は固形だったり液状だったりいろいろ)
分かりやすくいうと、野菜にとって必要な栄養素を速やかに補給してあげるのが化学肥料です。

 

これってアレに似てません??そう、サプリメント。

人間も足りない栄養素はサプリメントとかで補ったりしますよね。化学肥料もそれと同じです。

なので、もしみなさんの回りに「オーガニックの野菜は体に良い!」と言いながらサプリメントもとっている人がいたら「ぷぷぷ」と心の中で笑いましょう。
※注意 あくまで心の中で笑わないと、その人との関係が悪くなる恐れがあります。もし関係が悪くなった場合私は一切責任を負いません。

じゃあサプリメントも悪で化学肥料も悪かというと、そうではないと僕は思っています。

人間だってどうしても食生活が乱れて栄養バランスが崩れることもあります。そういう場合にはやはり応急処置としてサプリメントが必要な場合があるわけで、野菜も同じように健康に育てるために化学肥料を使う必要があってもいいと思います。

ただ「それって生産者都合じゃないの?」というご意見もあるかと思います。
でも育てる側に立ってみると自分が種をまいて育てたものが栄養不足になっているのをほおっておいて枯れさせてもいいんですか?ということにもなりますし、商品として出荷できないものが増えれば増えるほど生産者の収入にダイレクトに影響するわけですから、そこはいろいろな価値観があったとしても化学肥料の使用について否定はできないことじゃないでしょうか?

 結局、美味しい野菜ってなんなの?

野菜の味に話を戻すと、野菜の生育に必要最低なものを補給するには化学肥料で十分なんです。
でも野菜の味が成長に必要な元素(17種)できまるかというとそうではなくて、その他の元素(先ほどあった計50~60種類)によっても大きく作用されるわけです。
一口に有機質肥料といっても植物性のものもあれば動物性のもの、食品工業から副産されるものまでさまざまな肥料があります。そんなさまざまな有機肥料は、単純な無機物質である化学肥料と違って有機物質として植物に吸収されるので、より様々な種類の元素が植物の成長を構成するので味に違いが出てくるわけです。(有機質、無機質については化学を専攻されてない方にとっては区別がつきづらいかもしれませんが、ここで話すと話しが長くなりそうなので割愛させていただきます。)

前振りが長くなりましたが、要するに「この野菜美味しい!」と感じるのは有機物質による野菜の構成要素の複雑化によって生じるものということになりますね。

ただし味覚というのは人によって違うわけで、オーガニックだから美味しい!というのは具体性に欠けると僕は考えています。だって有機質肥料でもいろんなものがありますからね。

 

そして、野菜の味に大きく影響を与えるのが「鮮度」です。

何度も同じことを繰り返すようで申し訳ないのですが、野菜は生きものです。
野菜は収穫した後でも(土からひっぱり出されたとしても)呼吸を続けています。そして成長を続けます。成長をするために本来は根から土壌の栄養を吸収するんですが、土からひっぱり出された野菜は土壌から栄養素を吸収できるわけではないので、植物体内にある栄養素を成長に回してしまします。それによって糖分やビタミンなども分解されてしまうので、味も変化し栄養素もどんどん少なくなってしまうわけです。

なので「野菜は採りたてがうまい!」ということ、これはほぼほぼ正しいと思います。
(味覚については個人差があるので100%の断言はできません…)

 

まとめると…
「野菜を構成する栄養素」と「鮮度」によって、野菜の味が変わってくる。

ただ、人間てそういう化学的な面だけでは説明できない部分も多くもっていて、
「手間ひまかけた」
「大切に育てた」
「知り合いの人が作った」
とかそういう部分でも食べた時の感想が変わるのも事実だと思います。

たぶん大抵の人は、好きな人からもらったら美味しさも倍増する、という経験をしたことがあると思います。

今回の内容では「農薬」の部分については触れていないんですが、有機栽培というのは通常の野菜栽培と比べれば格段に手間ひまがかかるのは間違いありません。
そんな手間ひまのかかる有機栽培で作っている生産者の方というのは、やはり「美味しい野菜を食べてもらいたい!」という思いがなければ続けれないことだと思います。手のかかる有機栽培だからこそ、野菜のことを大切に扱っている育てているからこそ良い物ができるんじゃないでしょうか?
そういった生産者の方の気持ちがきっと食べ手の人に伝わるから美味しいと言われるんだろうなぁ、と…。

ということは

仮に有機栽培でなかったとしても、野菜を大切に育てている農家さんのものであれば良い野菜が出来るはず!

 

みなさんはどう思われますか?

 

 - 農業のこと

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