きーたんのブログ

「再生産可能価格」って誰のためにあるんでしょうか?

   

みなさんは「再生産可能価格」という言葉をご存知でしょうか?

僕は恥ずかしながらこの言葉は農業関係に携わるようになって初めて知りました。
意味自体はそんな難しいことではなくて、読んで字のごとく、「発生した利益で事業が継続できる価格設定」ということ。…要するにコスト積上方式による価格設定です。

儲けることが難しい農業では、年々生産者の数が著しく減少しています。
なんとかそれに歯止めをかけるために「再生産可能価格」をしっかりと確保できる農業経営を目指そうということがしきりに言われています。

でも、僕はどうもしっくりきていません。というか、最近「なんか違うな…」って思い始めました。

そもそも「再生産可能価格って誰のコストをベースに考えるんですか?」という疑問が湧いてきます。

Aさんは野菜一つをつくるのに100円のコストがかかるけど、Bさんは75円、Cさんは130円でそれぞれ作るとします。どれも同じ慣行栽培の普通の野菜を作っています。

流通関係者や消費者とすれば、同じ品質のものが手に入るなら間違いなく安いBさんから野菜を買うと思います。
ここでもしCさんが「僕のこの野菜の再生産可能価格は130円ですからコレ以上安くは売れません」としてしまったら、もう誰も喜べる人がいない悲しい結末を迎えてしまいます。

もしぼくがCさんの立場なら、どうやってBさんが75円で作っているのか必死に研究し、いかにそれよりも安く作るかということを真剣に考えると思います。(ここでは高付加価値の野菜作りに切り替えるという選択肢は除外しています。)

コストが高くなってしまっている要因はたくさん考えられます。
・品種の違いで収量が異なる
・資材費がかかりすぎている
・作業効率が悪い
・商品化率が低い
・圃場面積が違う
・作付け方法がまずい
などなど…

どんなに考えてもBさんのコスト75円よりも下げることができないなら、別の野菜にシフトしたほうがいいし、事業計画そのものをもう一度見なおさなければならないでしょう。

「いくらだったら自分が納得できるのかという価格」と、「消費者が買ってくれる価格」というのは必ずしもイコールではないです。

自分の手作りのTシャツだったら人件費まで含めたら7000円で販売しないと割が合わない、って言っても買う人は限られちゃいます。それに対して「再生産可能価格を重視しましょう」なんていう人はいないでしょう。

でも農業はなぜか生産者をかばうような風潮がある気がします。必死に努力している生産者さんがいる中で、「再生産可能価格」という言葉を盾に努力をやめてしまうのはいかがかなものかなと…。

もちろんコスト削減にも限界はあるので全て生産者が負担する必要はないですが、流通としてはブレない価格設定というのが非常に重要だなと感じています。

 - 農業のこと

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