きーたんのブログ

ミニトマト生産に今から参入するのは辞めた方がいい

      2014/08/29

今日、ニュースを見ていたら「三井物産 ミニトマト」の文字が目に飛び込んできました。

時事ドットコム:トマト栽培に熱い視線=商社やメーカー、相次ぎ参入-得意分野で連携

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201401/2014011100198&g=eco

なぜぼくが「三井物産 ミニトマト」に反応したかというと、実はいつもかわいがって頂いている三重県の浅井さんの会社「株式会社浅井農園」さんがここに絡んでるのを知っていたからなんです。

実は恥ずかしながら何度も代表の浅井さんには岡山に来て頂いているにも関わらず、僕自身は一度も三重まで行っていない不届き者。
浅井農園さんのことを僕は語る資格が無いので、よかったら浅井農園さんの「完熟チェリートマトの紹介ページ」見てみてください。消費者の方でもとても分かりやすくこだわりが説明されています。
http://www.asainursery.com/sticking.html

なぜ異業種がトマト栽培に熱い視線を送るのか

ぼくは大きく3つ理由があると思います。

  1. 施設栽培だから天候リスクが少ない
  2. 単価が高い
  3. 収穫時期が長いので雇用を生みやすい

そんなミニトマト、基本的にはビニールハウスでの栽培です。もともとは夏場が旬の野菜ですが、ビニールハウスで加温することによってスーパーには1年中ミニトマトが並ぶんです。

もちろん浅井農園さんもビニールハウスでのミニトマト生産を行っており、単独生産でもこれまでにしっかりとブランド化をして生産していました。

今回のプロジェクト、「三井物産」と「浅井農園」に加えてもう一社重要なポジションをとっている企業があります。

それが「辻精油株式会社」

なぜ、辻精油さんが重要なポジションをもっているのかというと、答えは簡単。
辻精油さんの工場から出る「廃熱」を、ミニトマトのビニールハウス内を加温用にエネルギーを再利用するからです。

ミニトマトにかぎらず、ビニールハウスの加温で一般的に使用されるのは石油。この石油がこの数年でとにかく値上がりしています。石油の値段があがったからといって、簡単に価格転嫁させてくれないのはどこの産業も同じ。だから加温なんかやってられない、という施設栽培の農家さんも増えています。

話しを戻すと、今回のプロジェクトのように異業種の企業同士が協力することによって、これまで農業法人が抱えてきた問題がいくつも解決されます。

  • 浅井農園=ミニトマトの生産ノウハウ
  • 辻精油=再利用エネルギーによる低コスト化
  • 三井物産=圧倒的な資本力と豊富な流通チャネル

これだけ揃うと、恐らく中小の農家さんは同じ土俵では太刀打ちできないでしょう。

もともとトマト類は異業種参入しやすい作物として注目を浴びていたことと、消費者ニーズの増加もあって日本全体のミニトマト収穫量も10年前と比べ130%増になっています。生産者が著しく減少しているこの業界において…。

ミニトマト収穫量

今回のプロジェクトで、来年度500tの収穫量を見込んでいるようですが、これって全体の0.4%なんですが、もちろんあくまで初年度なので今後も規模拡大をしていくのは間違いないでしょう。

恐らく、このプロジェクトがうまくいくと、他の企業も乗っかろうとトマト生産にどんどん参入してくると思います。そうするともちろんトマトの生産量は増えます。
また、施設栽培では最先端を行くオランダなどでは日本の収量の2倍とも3倍とも言われています。こういった高収穫量の技術が日本にもうまくマッチして導入されていくと、さらにトマトの生産量は増えます。

トマトの生産量が増える=相場が安くなる

これはもう逃れようの無い事実でしょう。
しかもちょっとやそっとの相場の下落じゃすまないでしょう。

まぁ消費者にとっては、安くて美味しいトマトが食べられるんだから悪い話じゃないんですけどね。

大手が参入することで価格破壊が起こって中小零細企業が衰退していくのは、農業に限ったことじゃないですから…。中小規模の農業生産はこういったマクロな視点ももって品目選定していかないとですね。

ではでは今日はこのへんで。

 - 農業のこと

Comment

  1. だんご より:

    自分はこれから 施設栽培で 農業をしたいと考えているのですが 相場の価格をよむには難しいですね
    確かに現状では トマトの利益率は高いですが これから10年間を考えるとかなり落ちてくるのは確実
    いちごも全国的生産者が増えました
    しかしいちごのほうは 価格は今以上下がらない?ように思われます
    ただいちごも名産地しか 残れないとは思うのですが農業っといっても 品種を選ぶのは難しいですね
    施設栽培となると その野菜に 限られてしまう融通が利かないのが 悩みますね

    • きーたん きーたん より:

      だんごさん>
      コメントありがとうございます。農業もビジネスですから、みんなが儲かる儲かると言っているものに手を出してしまうと、すでにレッドオーシャンだったということはよくある話しですよね。
      岡山では桃太郎ぶどう、宮崎ではマンゴーなんかが比喩に使われますね…。

      ブームに流されない販路に合わせたブランディングと、企業参入などの影響を受けづらい体制を整える必要がありますよね。
      まぁ言うは易し行うは難しなんですけどね…。

      頑張ってください!!(^_^)

  2. dd より:

    増産して価格が下がるからやらないというのは単純すぎるのでは。

    • きーたん きーたん より:

      >ddさん
      現状のミニトマト生産者の方でも苦労してる方も多い中で、数年前から資材費もどんどん上がっている状況でゼロからスタートするのは経営的観点からすれば非常に厳しいのではないかというのがこの記事で伝えたいところです。
      もしゼロからのスタートではなく、熟練の技術で他の生産者よりも格段に収量があげられたり、記事中にも書いた廃熱利用などによる他者との差別化になるコスト削減ポイントがあれば、キロ単価も他の野菜に比べれば優秀な野菜なのでやる価値は十分あると思いますよ。

      さらに言えば、何か他に収益減があった上で「美味しいミニトマトをいろんな人に食べてもらいたい」ということが目的であるのであればいいことだと思います。

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