きーたんのブログ

無農薬栽培の野菜は農家を滅ぼす

      2014/02/12

みなさんは農薬を使った野菜と無農薬の野菜とだったらどっちを食べたいですか?

ぼくは無農薬の野菜を選ぶと思います。

でも無農薬だから2倍も3倍もする野菜を買うかといえばそんなことはありません。

ただし、生産者側のコストの観点から言えば、もし一般的な野菜の2倍3倍の値段がついたとしても無農薬野菜を作ることで利益をあげられるかというと甚だ疑問です。

もちろん、無農薬で作りやすい野菜もあります。
水耕栽培でできるサラダ野菜などが代表的ですかね。

そもそもなぜ農薬が必要なのか

農薬には大きく2種類に分けられます。

  1. 殺虫剤
  2. 殺菌剤

どちらも読んで字のごとくで、殺虫剤は「虫」を殺して殺菌剤は「菌」を殺します。

イメージしやすいのは「虫」のほうでしょうか。キャベツやほうれん草などは温かい時期にはよくアオムシに食べられたりします。虫食いの野菜は基本的に商品価値が下がります。「無農薬野菜が食べたい!」という人でも「虫食いがあると気持ちが悪い」といって文句を言う人もいます。最近飲食店のサラダバーの中に虫がいたりするだけでニュースになったりします。(いや、まぁお店はちゃんと洗うのが仕事なんですけどね…。)
じゃあ農家さんは生活していくためには、売上を確保するためにも虫食いの無い野菜をしっかり管理して作らなければならないわけです。
一度虫食いで穴が空いてしまえば直せないので、虫が出始める時期を把握した上で、事前に農薬で予防することで、農家さんは計画どおりに野菜の生産ができるわけです。

もし「無農薬で見た目も綺麗な野菜が欲しい」方は、そのコストとリスクに見合った価格で買ってあげてほしいです。

もう一方の「菌」について。
なんで今日はそもそもこんな話しを書こうかと思ったのは、ちょうど病気にかかったセロリを見たからなんです。

ちょっと逆光なので分かりづらいのですが、根に近い部分が白くなっているのが分かりますか?

セロリ株元

もうちょっと近づいてみると、

セロリ

明らかに普通の状態じゃないですよね。

これは「菌核病」という病気で、主に茎に発生し白い菌糸に包まれます。
こうなると菌に侵された株は葉も枯れていってしまうので、当然商品にはなりません。

また、この菌は土壌の中に2~3年間存在します。発見してすぐに菌に侵された株を畑の外に出さないと、この菌が土壌に残ったままになってしまうので、再度同じ畑で野菜を作ろうとすると、「菌核病」に侵されるリスクが格段に高まります。
また、表面上野菜に症状が見られなくても、畑の中に菌が存在しているのは間違いないので、限られた農場で野菜作りをする上で殺菌剤の使用は否めません。

この生産者さんはセロリを今回4,000株植えられており、苗代だけでも諸費用込みで50万円近くかかってます。もし無農薬にこだわったとすると、病気が全体に広がってしまい収入が0になる恐れがあります。

50万円って言ったら、個人事業主にとってはかなりの大金。

というか50万あったら立派な海外旅行にもいけますよね。

そんな大金を生かすも殺すも農薬にかかってます。
それくらい農薬って生産者にとっては重要なものなんです。

農薬の考え方について、ぼくは野菜を人間に置き換えて話しをさせていただくことがあります。

人って風邪引いたりしたら風邪薬飲むし、「風邪ぐらいじゃ薬なんかに頼らない!」っていう人も、ガンだったら抗ガン剤打ったりしますよね。

結局、野菜も人間も生きもので、生命を維持するためには必要に応じて薬をうまく使う必要があるんだと思います。

一概に「農薬が体に悪い」と決めつけるわけじゃなくて、そういう農業の現状を知った上で野菜と付き合っていただければ流通に携わる人間としては幸いです。

ではでは

 - 農業のこと

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